3面張り河川の問題点

あなたは、 http://hpcounter.nifty.com/cgi-bin/counter.cgi?f=ishiyagawa&n=1&d=1人目に見た人です。

 自分は、阪神淡路大震災の時に、近くの石屋川からバケツリレーをやりました。その時に、川が3面張りだったために、次のことで、問題が生じました。

 3面張りの川では、こんな問題もあるよ、ということを伝えたくて、このレポートをまとめました。

(注)御影石町のバケツリレーは、このほかにも御影小学校からのルートからも行っています。(念の為)

 

1.川底に降りる時

 

 始めに、川底に降りる方法を知っている人がいるかどうかが問題になった。子供の時に川で遊んだことがあるのがバレて、水組隊の1班にさせられました。

 バケツリレーをした地点の場合、川底まで、3m強の高さがあります。護岸は石垣なのですが、隙間をコンクリートで固めているために、川底に降りることができません、で、いつも川底に降りる時に使っていた所へ行ったら、崩れていました。(といっても崩れたのは、幅50cm程なんですけど...)

 それで、信号機が壊れていた国道2号線を渋滞を利用して横切って、「コンクリート張りの護岸で溝が横方向に掘られている場所」(専門用語がわからないのですが、デザイン上の都合か、工法のためかは、わからないれれど一定の高さおきにに水平方向に溝が切ってある護岸)から降りました。水組隊の交代の時は、バケツリレーのスタート地点からロープで引っ張り上げてもらいながら石垣の少しの凹凸を利用して上がりました。 (大げさに書いていますが実際の移動距離は、片道150m以内の話です。)

 

−−−−−→河川では、数百メートル置きに川底に降りられる方法が必要。非常時に可動式の梯子を使う方法もあるけれど、出来れば、普段から川に降りられるように、護岸を設計するか、固定式の梯子をつけた方がいいと思います。

 石屋川の場合は、川底に降りられたけれど、これが出来ないだけで、火事が広がるおそれがあります。特に水平方向の溝がないコンクリート3面張りは、おりる手段がないので、バケツリレー自体が出来なくなる可能性があります。

 

2.水くみの時

 

 バケツリレーやった地点は、川底は石組みですがセメントで固定されていて穴を掘ることができません、普段の水深は数センチという流れです。そのために、始めは、柄杓で水をくんでも、採水できる水は、20〜50mlという状態でした。

 途中で、バケツの引き上げ係の人に、材木(後で聞いたら、建設中の家の資材だったそうです。)やガレキ等を投げてもらい、それを使って、簡単な堰を作って、やっと柄杓で十分な水がくめる水深になりました。

 

−−−−−→河川改修をするときに、高さ30cm位の堰を一定の間隔でつけてほしい。そうすれば、柄杓じゃなくて、洗面器で、水をくむことができる。堆積土で埋まっていたとしても、適当な水深まで穴を掘ることができると思う。

 

3.川底から水の入ったバケツを引き上げる時(この作業は自分はやっていません。)

 水のはいったバケツを引き上げる作業は、橋の上から行うと楽なのですがリレーをしていた地点には橋がありません。、30メートル近くに歩道橋がありましたが火の粉が飛んできて近ずけませんでした。

 次に近い橋は、約70メートル離れています。約70mというと短いように思うのですが、1mに1人として70人は人がいることになります。それができなかったので、川岸の道路から、川の斜面を滑らしながら引っ張り上げていました。

 ここで問題になったのが、「石垣の出っ張った部分」です。水の入ったバケツを川岸の斜面を滑らしながら引っ張り上げるだけでも重労働なのに、さらに出っ張りで引っかかったりするとさらに作業がしにくくなります。時には引っかかったためにバケツが回ってしまい、せっかくくんだ水が全てこぼれてしまうこともありました。

 また、始めに使っていたポリバケツの場合、出っ張った部分に当たるとすぐに割れて、水が漏れだします。ヒビが入っているだけのうちはまだ使えるのですが(多少水が漏れても道路の高さまで引き上げた時に残っていたらいい)、何度も繰り返しているうちに、完全に割れてしまって、次のバケツに交換ということを繰り返すことになりました。

 その後金属製のバケツ(本当は御影小学校の給食を配膳するための鍋です。(笑))にかえてからバケツからの水漏れは激減しました。その後にローティションがあったのでこれが何時間持ちこたえたかはわかりません。(それ以前に腕時計をしていなかったので時間が分からない状態でした。)

 

−−−−−→川と道路との交差部で橋が架かっていない所では、川岸の斜面を平らにした部分をつける(1.と矛盾するかもしれないけれど)か、できれば階段をつけた方がいいと思う、階段ならそのままリレーできるのでロープで引き上げなくてもすむ。

この川はその後に行われた改修工事で、1999/07/24「防災ふれあい公園」という河川工事が終わりました。この工事により川に降りるための階段やスロープ、飛び石と飛び石の間にお互いにスリットをつけ板をはめればダムができる構造や、消防車のホースを差し込めるための穴が取り付けられました。

bousaifureaikouen.htmにその工事後の写真をつけています。今神戸市では、地震などの災害の際に、消防用水や生活用水を確保できるようにするために、各河川でこのような工事を行っています。

 

P.S.本当は、地上にいたまま水が手にはいるように、非常用のポンプを置いておくのが一番いい方法だと思う。川底にいたときは、余震よりも津波の方が怖かった。

 

P.S.2 「バケツリレー」という言葉は実は間違いです。実際は、1家族に1個有るか無いかのバケツよりも、どの家のどの部屋にも最低1個はある「ゴミ箱」の方が数多く集まりました。その他に鍋・プラスチック製の引き出し・コンテナボックスなどいろいろと使いました。今になってみれば笑い話で、近所の人と思いで話をする時に、この変なものでリレーをしたというネタで笑っています。

詳しくは、「バケツリレー」というの言葉のウソのページを見て下さい。

 

「バケツリレー」という言葉のウソ

へ続く(防災関係の仕事をする人は必ず見て下さい。)

 

石屋川

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The improvement proposal of the MPN method.htm

他の人の震災関係のページ

長谷さん

 

べんとや
長七食堂

http://bentouya.osatani.com/index.html

弁当屋さんのサイトですが、阪神大震災の時に同じ御影石町3丁目にいたと言うことで、震災関係者として相互リンクを貼っています。

阪神大震災・災害に備えよう

 

http://longseven.at.infoseek.co.jp/new_page_20.htm

 

上記の内震災の話題の部分です。

 

數越達也さん

 

昭和52年有珠山噴火と平成7年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を体験した理科教師が制作する防災・減災教育を考えるウェブサイトです。

1995年阪神淡路大震災被災者の教訓集

この教訓集は@niftyサイエンスフォーラムにおいて、伊豆倉 正敏(自分です。)の原稿に伊豆倉恵子と数越 達也氏が意見を出して共同でまとめたものです。が事情に付き一時的に私のホームページに移動させます。

地震は「自然災害」ですが、その後の対策の間違いや遅れは「人災」です。「あの時ああしていれば良かった」ということが無いようにするためにも、この教訓集を参考に使って下さい。

 

関係リンク

 

サイエンスフォーラム

@ニフティのフォーラム廃止に伴いfolomy - みんなでつくるコミュニティ -というサイトから再度別のサーバーへ移動しました。

【環境】私たちの暮らしの未来

上記フォーラムでの最近の生息域。 検出頻度が高めです。